あの子と私はいつも一緒にいた
類は友を呼ぶというが
私と彼女に似通った部分など何一つ無かった気がする
無かったからこそ一緒に居たのだと思う
彼女はただ、やさしい子だった
やさしさ故に自分の事より人の傷に敏感な子であった
そしてよく
仲間を、他人を気遣い
泣いていた
私は彼女の涙を止めたかった
私は彼女が好きだった
私は…彼女に恋をしていたのかもしれない
彼女の涙を止めたのは
私でも、他の誰でもなく
彼女自身だった
彼女は死んだのだ
仕事の最中、彼女は客に暴力を振るわれた仲間をかばい
階段から落ちて
その命を落とした
最期まで
やさしい子だった
彼女は死の間際にかすれそうな声で
私にこう言った
「どうか…笑っていて」
「わたしの大好きなオデット」
流れるような黒い髪
しなやかな褐色の肌
まるで星が跳ねるように軽やかに
きらびやかに踊る君
目蓋を閉じれば
色褪せる事無い君が舞う
オディール、私はいつも君を想う
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